年収O万円生活への誘い

年収 ゼロ 万円ではなく オー 万円生活。いくらなんでも ゼロ では生活できない。自給自足の仙人のような暮らしを

されている方も居られて憧れるが、それでも生活費はかかる。日本の行政のお陰で此の先、悠々自適な年金生活も

望めないし、何十年先には、年金ってなに? という事態になるかもしれないが、第二次大戦後の焼け野原の日本を

世界第二位の経済大国にしてくれた年配の方々には、もっと多くの年金を払っても良いくらい。私を含めて、のらくらと

浮かれて生活してきた方は年金など貰わず、死ぬまで働けば良い、ってそれは言い過ぎ。アメリカでは、ドイツでは、

イギリスでは、どうだこうだではなく、日本のよい所も沢山あるが、物価が世界一高い。農家の方が額に汗して作った

農産物の品質は世界一だが、価格が高め。アメリカでは、って海外を引き合いにしているが、食料が安い。

何故安いのか? 品質が悪いからと言われればそれまでだが、フニャフニャ の ブレッド、パサパサ の レタス、

ゴムのような牛肉など食べられたものではない。もっと品質の良い食料を買おうとすると、途端に価格が跳ね上がる

のだそうな。ということで (どういう事で?) 食品を買わない。または エンゲル係数 を徹底的に下げる。食べ過ぎは

体に毒。成人病になれば医療費が掛かるし、有利な保険にも入れないって保険を解約すれば高い保険料も

払わずに済む。いざと言う時に備えて保険だけには入っておきたいという思いよりも、保険保証が何も無いほうが、

緊張感があって逆に病気にならないかもしれない。病は気からと云いますから。乗用車の任意保険には入って

おかないと、って 車 も売却。出かけるなら歩けばよいし、最も体に良いのは歩く事。体に良いと始める 早朝マラソン など

自殺するようなもの。タバコ は体に悪いが、止められなければ本数を減らす、または 一年に 一本だけ吸うという

手もあるが、北海道の原野に生えている野生の (ピー) を採取してって法律違反。その前に北海道まで どうやって

行くのか。歩いて。そんなの 本末転倒 (ピー) 旅行になりはしないかとも思ったが、例えば、関東平野から北海道までの

徒歩も、旅行気分が味わえて良いものかも。衣、食、住 揃ってとよく言われるが、食品も高いが衣料品も高い。

買わないのが一番だが、価格が高めでも長持ちさせれば 20年 は使える。最も高いと云われる住宅費。そんなものは

雨露が凌げれば如何にでも暮らせるし、月1万円のアパート 一間 でも優雅に毎日を送っている方も居られる。

インターネット、テレビ、ラジオ、新聞 位は良いかもしれないが、それ以外は何もしない、何も買わない、何も贈らない、

何も食べないのでは死んでしまうので、霞を食べてって 仙人 か? 少しは人間らしい生活をしてみたい、って人間らしい

生活って何? ガス代、電気代、水道代が掛かるので 風呂 に毎日入らない。風呂に入ると衣服を着替えるので

洗濯機に使う洗剤も ばかにならない。その前に、ラッコ にでも生まれ変われば、水道代も掛かりません。

一日中 風呂に入っているようなものですから。

夜空に輝く月を眺めながら、のんびりと暮らしているように見える ラッコ も、潮に流されないように海藻を体に

巻きつけ、大海原を枕に プカプカ と浮かびながら就寝中、鮫に試食されるかもしれない。鮫や ラッコ はさておき、

無人島に1人だけで一週間生活できるのか? という話が雑誌に載っていた。ラッコ はいないが、魚が戯れる温暖な

気候の小さな島で、雑誌の編集者が いかに自分で考え工夫すれば、一週間の無人島生活を乗り切れるかというもの。

食料も水もないが ガスライター や釣竿もあるしと、暇でしょうがないだろうなと高を括っていたそうな。ところが、そんな

のんびりしている暇など無かった。その日の食料、飲み水を探すだけで 一日が終わってしまうほどの忙しさ。

島の周りは魚が群れをなしているのに魚も釣れず、海水を飲むわけにもいかず、(海水を飲むと逆効果) お腹を空かして

ヘトヘト になりながら雨水を啜り、寝床を確保するのも 一苦労だったそうな。水道の蛇口から水や温水が出て当たり前、

スイッチ ひとつで明りが灯り、冷暖房設備で楽々生活するのが当然、と思っていた編集者には地獄だったそうな。

水道の蛇口から コーラ が出れば良いのにと考えた事があるものにとっては、とてもじゃないが 自給海人生活 など無理。

ちなみに、アメリカ人の大好きな ホットドッグ の販売店には専用の蛇口が有って、お客が好きなだけ 辛子 や

ケチャップ を、ホットドッグ に乗せて食べているそうな。


南の島で ハンモック に揺られながら静かに暮らし、たまに波打ち際で魚を捕り、椰子の殻を お皿代わりに午後の

ひと時を、ってそれは理想の中での事で、現実は甘くない。一時期、物価と家屋が安いからと定年後の海外移住生活が

流行った。海の観える プール付 の広い 一戸建てを購入。現地の方との言葉の壁で、ホームシック になりはしないかと

心配していたが、部屋の掃除や毎日の食事、プール の清掃に明け暮れ、そんな暇など無かったそうな。日本から

知り合いが来ても、広く深い プール に子供が落ちて水死するのではないか? 水を抜いても転落したら、など心配の

数々。毎日の家事が大変なら メイド さんを雇えば良いと思っても、我が家に他人がいるのは ちょっと、と何の為に

海外に移住したのか分からない。この世の中に 理想の世界、完璧で自分の満足できる環境などない。何の不満も無く、

毎日の生活が充実していたとしても、ただそれだけ。「不満が無いのが不満だ」 という贅沢な方が居られたが、

不平、不安、不満、など不完全動物の人間なら誰にでもある。日本は資源も無く平地の少ない山岳列島で、最も広い

平野は北海道の原野ではなく、猫の額のような関東平野だそうな。その代わり、文字通り湯水のような綺麗で軟質な水が

豊富だし、自然も豊か。四季の移り変わりも美しい。起伏の乏しい平地の拡がる国土なら、トンネル を掘る必要もなく

人や物資の行き来も容易で、生活するのも楽かもしれない。ところが、山脈にぶつかった雲が、雨や雪を降らせるので

降水量が激減。植物も生えず、(勿論 (ピー) も) 日本全体が砂漠になっていたかもしれない。資源のない 砂漠国 だと

すると、海水から飲料水を作るのは大変な手間が掛かるし、高価な輸入水を購入しなければならない。これではまるで、

無人島で右往左往しながら飲み水を探している編集者と変わらないし、容易に自給自足もできない。アッ、眼に砂が。

例えば、日本で中近東並みの油田が発見されたり、貴重な鉱物資源が採れるようになって、「国民の皆さん、地下資源が

発掘できました。つきましては、税金を徴収しない事になりました。かようによっては、働かなくとも国家財政で補えますので

申し出て下さい、国民支給金を配布します。働きたい方は お好きなように」 などと政見放送されても、本当に それで満足

できるんですか? 嬉しいのですかね。日本の全家庭に 一ヶ月 100万円の支給が有るとして、税金は除外。そうなると、

「私の敷地に地上 20階建て地下 3階、10台分 の駐車場完備の ビル を建てたいのですが」

「とりこんでおりますので、15年後になります」

「特注の 6枚ドア の フェラーリ、または プール付 ロールスロイス の オープンカー を注文したい」

「そんな下品なもの、何処かの石油王 以外受け付けません」

「4000坪の敷地に、日本庭園のある総檜作りの平屋の邸宅を建造したいんだが」

「ヒノキ が不足しておりますので 無理 です」

「世界中の 金銀財宝 を買い占めたいのだ」

「御自由にどうぞ」

「願いましては、決済は 日本国有 薄生労働省 財務局 の引き落としとなります。幾らでもどうぞ」

と、なるかもしれない。妄想のような お話だとしても、ヨーロッパ大陸 の殆んどを征服していた ローマ帝国 と、内容は

変わらない。(えっ?) 酒池肉林の、ありとあらゆる所業を行なった 残虐非道 快楽追求 ローマ人 の末路は、

外から攻め込まれたのではなく、中から腐っていって滅んだのだそうな。

つづく。