オンボロ シンセ メンテナンス
往年の アナログシンセの名機といわれる ミニムーグ を知人から安く買い付け、シンセベースに使用していたが、
余りにも チューニング が安定しない。アナログシンセ は デジタル と違い チューニング が安定しないと
云われているが、鍵盤を押さえただけで音程が キュィーン と上がってしまうのは楽器としては、いかがなものか。
効果音として使うとしても それだけではもったいない。ミニムーグ には、今では製造されていない IC や
トランジスタ が使われていて、もしも吹き飛ばしてしまったら修理不可能だそうだ。初期のラックマウントタイプ
MIDI MINI が発売された時の販売店の方の説明によると、世界中から ミニムーグ を掻き集め、内部の IC、
トランジスタ を、わざわざ使って回路を組まないと、あの太く荒々しい音にならないという。
その貴重な トランジスタ のために、ミニムーグ の中古価格が高騰してしまった。もとは、ムーグ(モーグ)博士が
あり合わせの部品を使い、( 回路は独創的 )安く製作、販売していた モノ で、そんなに マニアック で高価なもの
ではなかった。( 発売当時は非常に変な電子機器として観られていた ) 同時発信数1音で 音色メモリー もできない
ミニムーグ の欠点を逆に使い、粘るような独創的な音や、楽曲を作り出した音楽家がすごいのであって ミニムーグ が
すごいのではない。使い手が ヘタレ だと ただの発振器になってしまう。楽器は使ってナンボ、スポーツカー は
走らせて楽しむものであって、投機目的などにする事はない。ちなみに Prophet-5 の音色の中にある
プチプチッ という音を曲の効果音に使う手法は凄いと思う。 ( または、ターンテーブル スクラッチ )
ミニムーグ の メンテナンス は自分でするものではなく、テクニックと ノウハウ、適切な工具、測定器がなければ
無理だと聞いた事がある。しかし、発売元は とっくの昔に倒産しているし保証もなにもない。パンドラ化された
ブラックボックス と観る必要もないし、ただの木箱に入った発振器だと考え バラ してみる。などと思いながらも
緊張する。(え?) 冷や汗をかきながら バラ してみると非常にしっかりした作り。外国製とは思えないほど (失礼)
緻密に配線され、部品も耐久性がありそうで スイッチ の ガリ もなく、某国産品とは大違い。が、鍵盤部を開けて
ビックリ。 何だこりゃ?、 この フニャフニャ の スプリングスイッチ は ?
当時、ミニムーグ を輸入していた楽器メーカー の、しっかりした鍵盤が使用されているが、特殊な スイッチ が使われて
いたら直せない。代用品の スプリング で修理できるなら どうにでもなる、が、スプリング の接触部を 無水アルコール で
清掃しても、しばらくすると接触不良が起きる。酸化しないように潤滑剤を吹き付けると、埃を呼び込んで余計 酷くなる。
スプリング 表面の酸化膜や錆を紙やすりで磨くと、表面形状が変わったりして信号が通らない。
ならばと、酸化しないように グリス で スプリング部を被ってしまおうかと考えたが、スプリング と スプリング の隙間に
グリス が入り込むと、絶縁体になる可能性有り。伝導性のある特殊な グリス を塗れば?と思っているうちに面倒になり、
時々 メンテナンス すれば良いという事に、あいなりました。
其の時々、どころじゃない、いざ使おうと スイッチ 入れれば キョインキュイン、音程大幅不安定。よ〜く 鍵盤の構造 を
眺めると、3本 の細棒と 2つ の爪楊枝スプリング。 これが 一組の キースイッチ。 カーボン だか 酸化皮膜 か
知らないが、無水アルコール を付け壊さない程の力を込め磨けば 綿棒 が真っ黒。 面倒がらず、全部の
鍵盤スイッチ を研ぎ弾けば音程は勿論の事、音色が違う。 ミニムーグって、こんな音が太く深かったのか。
これだったら ベース だけじゃなく リード も良い塩梅かも。 だったらば、ギター用の エフェクター へ繋いでも良いか,も。
たった之だけのことでも音は変わる。 電源リード線 を確り繋げば、可変ボリューム の 爪蓋 を開き アルコールの嗽、
酸化皮膜を洗えば、 音が、 シャリシャリ音 も聴こえず、内部の電子部品が壊れてる、回路間違い、 じゃなかった。
エフェクター の 貧血、電圧供給不足 だったと。 永久とほほ。 ソレ は良いけれども、Minimoog の音をよく聴けば、
テープヒス のような濁った音が ホンの少し 聞こえる。 設定を変えれば判らなくもなるが、デジタル・シンセサイザー は
ノイズ が皆目見当、全く無い。 だから Moog は音が図太いのか。 ホワイト・ノイズ や ピンク・ノイズ の生成がある位
だから、海外のライブ演奏 は ノイズ が聴ける、国内は誘導残留ノイズ が、CD と見紛うほどの クリーン さ、
ダイナミック、迫力のある生演奏は ノイズ の多いほうが良いと聴こえるのは、ど〜ゆぅこっちゃ。 などと考へつつ
海外シンセ動画 を検索。 Prophet-5 はこの様な音か、minimoog はと、 A-440Hz の スイッチ を入れ、その音へ
微調整ツマミ を回し、弾き始めた。 440 の プー音 は、そう使うのか。 (プッ)
つづく。