調べれば詠むほど、ラッカー、ポリウレタン、オイルフィニッシュ、フレンチポリッシュ等々、塗装は難しく面白い。

フレンチポリッシュ とは ニトロセルロースラッカー が作られるまで散々塗られてた塗装方法だそうな。 カイガラムシ の

虫体被覆物精製破片 を 無水アルコール で溶かし、慎重に何十回も塗り乾かし 1ヶ月以上も掛かり、非常に美しい仕上が

りの、熱や湿気に トテツモナク 弱いという トン でもない塗装皮膜。  表面を覆い、光の反射を屈折少なく照り返す、材料

の傷、紫外線、湿気からの 保護皮膜。 この 透過皮膜 とやら、ホン の少しの 油分 でも容赦なく剥れる、皮膜の粘り

強さ、硬さ、脆さ加減は様々。筆塗り作業は斑、泡立ち、その塗料の粘度、筆運び、作業者の技術力に比例する。

これぞ職人技、真似などできない。スプレー塗布 は容量の半分近くが空気中へ散布、思ったところへ適量塗るなど、

これも難しく厄介。 模型用の 水性クリア を筆塗り、少しでも薄めると表面の艶は殆んど変わらず、筆を動かすたんび、

筆跡 が残る。 塗装の作業は緊張の連続、モタモタ 塗れば乾きはじめ、大き目の平筆 使えば泡も作られ表面が

ザラザラ と、良く乾いてから コンパウンド で磨いても表面は滑らかにならずの。 とほほゲッホゲホ。

PC用の 透明サブウーハー箱、携帯電話、ディスプレー透視画面、 窓ガラス。 照明器具。 透過形態の物体は粗が

判り易い。 スライド金型の パーテーションライン、繋ぎ目、加工跡、埃や塵、空洞 など、透けて見える物ほど作るのが

難しく、品質を保つのが大変なのだそうな。ギター の 透明ピックガード は見た目が エレガント、しかしもって製作途中の

加工傷は 製品 とはならずの廃棄処分か。

ヘッドの木目 も メタリック も思ったよう仕上がってくれない。そんなの当り前、下地処理から、塗料の特性からの塗膜工程

を省略、ノウハウ が身についてないのだから。 だったら、素人工法の、光らせたい部分だけ透明を塗り、ヘッド の表面を

削り、染み込ませ、全体を軽く磨けば中途半端な レリック・ベースギター の出来上がり。

拙い塗装作業を良い方向へ導いてくれるのは、己の気分でもなく、良質新品 の 紙ヤスリ や 扱い易い筆、強い皮膜塗料

である。 使い古しの 不均一 鑢 など使えば、塗膜の 一部分が溝切り状態、其処だけ抉られ被膜を塗り直しても元へは

戻らない。  油の膜や之でもかと研かれた塗面、食い付きが良くない塗装膜が剥がれるのは当然の結果。  剥がれる

から ペリペリ、ではない。 安価メープル色 の 水性二ス を購入。最初っから コレ を買えば善いものを、ネット通販 の

物凄さは半端じゃない。己が良いと思うた、これだったら、これで充分、どう扱えばイイのか分らない、模型用を木材へ

塗ると吸い込むけんど駄目なのか、サンディングシーラーって何だ?、 メタリックレッド の深みが増し、 ヘッド は

メープル木目模様、その材料専用の 着色塗料 じゃなくっちゃ仕上がり, 見た目が全く違うのは当然の事。  プッ。

塗装が上手く塗れない、ベース が思ったよう弾けない、何処が接触不良か、というのは其の作業、演奏のことが

判ってないからである。 コツ を掴めば、の ” こつ ” が判らない。 ベテラン の職人さんや 奏者 は、無駄な力や

時間を使わない。  筆や エアーブラシ をどう使えば、指を無駄無く動かせば良いか、ゴチャゴチャ と考えるのは、

脳味噌の余裕が少ない、無いのは素人だけである。 演奏中、ドラム が突然叩き方を変えたら、ベース は対応できない。

鑢削りの作業中、親方から行き成り怒られ、削れ音を聞いただけでも良し悪しが判るのが判ってないと、何故怒られたの

かも解らない。

ヘッド の部分を チマチマ塗ると、色付き二ス は駁の模様が、この斑、良く言えば バーズアイ、玉杢、葡萄杢の様。

強めの 塗装斑 を付け、優しく研けば ヘッド だけ 御高いギター のよう見えなくもない。 指板の 凹み傷 も、目の粗い

サンドペーパー から磨けば、 光をあてれば ローズウッド の木目が!、と思ったら ストリングスの影 だった。 とわ。

つづく。