インチキ デザイン考

d イタリア人は デザイン や色使いに長けていて、何時も 一足抜きん出ているのだそうな。ローマ帝国時代に

建てられた宮殿や彫刻美術品は、そのとき既に完成されていた。アメリカ の著名な彫刻家が ローマ時代 の美術品を観て

「狂っている」 と云ったそうな。長い年月を掛けて作り出されたような、緻密で完璧な デザイン 、彫刻技術、製造工程

など、最新の工作機械や切削工具を使用しても大変な手間と時間が掛かるそうな。奇抜な デザイン でもなく、されとて

古臭くもならない イタリア製 の工業製品群は、遥か昔から培われてきた独自の センス と造形美、色使いに気を使い、

携わっていない 一般のイタリア国民でさえも、さりげない センス と個性豊かな格好をしているのだとか。

しかし、元々 大らかで いい加減なイタリア人 の作った工業製品には碌な物がない。見た目の色使い、デザインは

素晴らしいが、耐久性のない電化製品、霧の中に停めておいただけで電装が湿気って エンジン の掛らくなる乗用車、

メッキが直ぐに剥げる金属部品など、例を挙げたらきりが無いが、耐久性のない工業製品だとしても、官能的な

エンジン音を奏でる スポーツカー、機能美と実用性が融合した ちょっとした実用品の使い心地の良さで、そんな事など

気にならなくなってしまうほどの エレガント な モノ もある。例えば、イタリア製の ガラス の コップ、革製品、ヘルメット の

ストラップ、競技用自転車の部品、ペン先など安価で機能的なだけでなく優美なデザイン性、使用感が素晴らしい。

日本製は どうかと使ってみれば、持ちづらいだけの コップ、ゴワゴワ した感触で機能していない革製品、上っ面だけを

真似た、実戦で酷使すると壊れる部品、包装だけは見栄えの良い、引っ掛かるペン先、等々。日本製のほうが価格が

高いにも拘わらず、イタリア製には足元にも及ばない。歴史が違うから仕方がないと よく云われるが、それはどうでしょう。


国民の思想、幼児性が顕著に表れるので、お国柄を知るには戦争をやってみるのが、いちばん判りやすいそうな。

第二次世界大戦時、ナチスドイツ の作り上げた兵器の性能の良さは勿論のこと、機能的で細かいところにまで

細工を施した銃器類だった。当時、無敵とされた化け物戦車や、戦後の航空機の模範になった完成された戦闘機の

計器類、コツコツと作り出されたような、ちょっとした小物まで デザイン されていた。銃器など、性能が良く故障しなければ

金属を折り曲げただけのものでもよいのに、それを良しとしない実直なドイツ製兵器。たかが、スコップ ひとつ作るのに

繁雑な工程を繰り返し、それに合わせた ケース を革で製作してしまう偏執さ。生産効率を無視した拘り方は

尋常ではない。敵に、脅威や恐怖心を植え付ける為に考え出された全身真っ黒な戦車兵の戦闘服。重戦車の

キューポラ から上半身を乗り出し、頭に装着した ヘッドホン で何やら通信しているのを観ただけで、敵は恐怖心を

煽られたのだそうな。イギリス製はと観てみれば、余計なものが何も無いような合理的で生産性の良さそうな、

別の意味での実直さ。ブリキを曲げたような銃器類、トラクターのような ヘンテコリン な軽戦車、洗面器型の

戦闘用ヘルメット、木製の長距離戦闘機、ピンク色のジープ など奇を衒ったような モノ 盛り沢山。わざと変な モノ を

作り出している訳ではなく、機能的で故障が少なければ変な思想など取り込む必要など無いとして、

そうなっただけなのだとか。イタリア軍は どうかと観させて頂くと、今でも通用するような エレガント な外見、

色使いの素晴らしい優美な エンブレムデザイン で、実戦で使用しようものなら直ぐに故障したり、撃ち落される

見かけ倒し イタリア 空軍戦闘機。(失礼) ちなみに 日本の プロペラ戦闘機は、根性と精神論、松の根の油 で

飛行していたそうな。ナチスドイツ時代の殺戮兵器を誉めても仕方ないが、その頃と今の自動車設計思想、

デザインセンス は変わっていないそうな。大きく重く破壊されない重戦車のような ドイツ の乗用車。目的地まで短時間で

安全に移動できるように設計された頑強な高速装甲車の様。第二次大戦末期の重戦車のように、余りの重さに

エンジン出力が ついていけなくなるほど徹底的に機能を追求する ドイツ人魂。やり過ぎて、息が詰まるし洒落っ気も無く、

頑固で融通が利かなそうな、どことなく野暮ったい デザイン。安全性と高速走行性能を得るには、大きく重い車体を

高出力エンジン で力任せに動かさなければならない、馬力以上の ストッピングパワー の、大口径 ベンチレーテッド

ディスクブレーキ が装着されていなければならないのかもしれないが、発想が凝り固まっているようにも感じる。

などと思っていたら、最近は日本車の真似をした軽快で安直な デザイン のドイツ製乗用車、日本 大上陸。と想ってたら

乗用車の環境には最悪の真夏の渋滞路、合成ゴム、プラスティック類 が化学変化を起こす エンジンフード の メラメラ

火炎。100度以上の温度変化の 金属収縮膨張音。融ける構成部品、漏れる エンジンオイル、過剰品質 ブレーキパッドの

真っ黒 アルミホイール。 CAMEL トロフィー 走破車 以外は売るなとは言いませんけど、どうなんでしょうね。

日本が アマゾン の ジャングル より過酷、アスファルト の照り返し、粘る 蜃気楼 のような 湿気、渋滞ノロノロ走行 が

悪いのだそうですけれども、日本は 良質大量湯水の資源 が幸いし、ラジエター の耐久性が良くないそうな。

ということは、人間 も 工業製品 も、乗用車 も 天候風味 ですかね。

つづく。