レスポール フレットレス ワンダー
フレットレス ワンダー は他の フレット と違い、極端に高さが低いので癖があり弾き辛い、スライド はやりやすいが
チョーキング や ローポジション を弾く時は、弦が ビビッ たり スムーズ に操れなかったりと コツ がいるのだそうな。
初めて手にした ギター が、フレットレス ワンダー だったので気にならなかったが、比較してみると高さは勿論の事、
フレット の形状 が違う。一説には、ギブソン社 の職人さんが フレット加工中 に削り過ぎてしまい、駄目モト で最後まで
製作、完成して試し弾きしてみたら良かったので、フレットレス ワンダー として販売したのが始まりなのだそうな。
品質に厳しい職人気質なら、削り過ぎ フレット など廃棄処分が当たり前。1本だけなら なんとか完成させられても、
何十本、何百本もの ギター を平均以上に作り上げるのは、半人前や素人には不可能。豆腐 や うなぎの蒲焼き は、
大豆を茹でて搾っているだけ、捌いて焼いているだけの単純作業だと思ったら大間違い。毎日作って、味や焼き加減が
平均していなければ 一人前、職人とは云えないのだそうな。また、気候や湿度によっても味覚が変わるので、味加減、
焼き加減を微妙に変えている。何時 食べても同じ味、食感だと感じたら お客さんの体調、その時の気候に合わせて
職人さんが調整いるのだそうな、それも淡々と。職人修行中には、自分で考えながら作って失敗した、上手く (旨く)
仕上がった、思案して試案した、独り善がりでも自己満足だけでもなく、自分が納得できるものに、頭の中で考えている
事が妥協せずに出来た、と、あれやこれやと考えているそうな。なんの職種でも同じだが、毎日、毎時間、同じ事を、または
違う事柄を何も工夫せず、何も考えず、失敗しないように こなしているだけで良いと感じていないのなら、直ぐに飽きて嫌になる。ギター の練習をしている時でも、フレット を磨いている時も、楽器の表面、部品を只 眺めているだけでは、
フレットレス ワンダー の発想など思い浮かばない。
つづく。